慈恵大学柏病院
呼吸器外科


Jikei University Kashiwa Hospital
Department of Surgery

肺がん治療ネット

専門領域 呼吸器外科

 呼吸器外科は胸部外科ともいわれますが、具体的には肺、縦隔、胸腺、胸壁に関連する疾患の治療の治療を行う外科の領域です。
 呼吸器外科の担当する疾患としては、肺がん、胸部異常陰影、自然気胸、胸腺腫、重症筋無力症、縦隔腫瘍、縦隔のう腫、胸壁腫瘍などがあり、これらの疾患の診断と治療方針決定、治療、経過観察を担当しています。
 東京慈恵医大柏病院外科の呼吸器外科では、患者さんの病状と体力を考えて、胸腔鏡下手術を行うか、開胸手術を行うかを決定しています。
 現状では、呼吸器外科手術の8−9割程度は、完全胸腔鏡下手術で行っております。自然気胸はもちろんのこと、ほとんどの肺がん手術も完全胸腔鏡下手術を行っています。
 安全性や根治性を考慮して開胸や開縦隔を選択することもあります。
 学会や研究会での最新の知見を吸収しながら、患者さんに少しでも良い治療を提供できるように努めています。

胸腔鏡下手術

 胸腔鏡下手術は1990年頃より日本で本格的な広がりを示しました。当初は手技が比較的単純な自然気胸の手術で発達しましたが、次第に縦隔疾患の1部の治療も行われるようになりました。現在では、さらに経験や器具の進歩に伴い、複雑な手術である肺がんの手術や、より困難な縦隔疾患の手術にも行われるようになっています。
 胸腔鏡下手術は日進月歩しており、施設によりその取り組みは大きな差があります。一口に胸腔鏡下手術と言っても、開胸手術に胸腔鏡を付加した開胸手術に近い胸腔鏡下手術から、胸腔鏡下に病変を拡大視して丹念に切除を進める完全胸腔鏡下手術まで多くの段階が存在します。

開胸手術、開縦隔手術

 開胸手術とは皮膚切開、胸壁筋肉切開後に、肋骨の間にある肋間筋を切開して、胸の中に入る方法です。

胸腔鏡下手術 胸腔鏡下手術の別名

 胸腔鏡下手術は別名、胸腔鏡手術、胸腔鏡補助下手術、胸腔鏡補助手術、内視鏡下手術、内視鏡手術、鏡視下手術、ビデオ補助下手術、ビデオ補助手術、ビデオ補助下胸部手術、ビデオ補助下胸腔鏡手術、ビデオ補助下胸腔鏡下手術、バッツ、VATS、video-assisted thoracic surgery、video-assisted thoracoscopic surgeryなどと呼ばれています。

胸腔鏡下手術とは?

 胸腔鏡下手術とは、2cm程の切開を複数作成し、そこからカメラと手術道具を挿入して行う手術です。

完全胸腔鏡下手術とは?

 胸腔鏡下手術は、@標準的な開胸手術の傷を小さくして、胸腔鏡を併用して、小さい傷から胸の中を見ながら手術を行う方法と、A胸腔鏡のカメラを通じて、胸の中を画像を拡大してビデオモニターに映し、ビデオモニターを見ながら手術を行う方法があります。@の方法を胸腔鏡補助下手術、Aの方法を完全胸腔鏡下手術と呼んでいます。
 自然気胸の手術では通常、どこの病院でもAの方法が行われています。
 肺がんの手術は、開胸で行う施設もあり、胸腔鏡下手術で行う施設もあります。胸腔鏡下手術といっても、@胸腔鏡補助下手術やA完全胸腔鏡下手術があり、これらが混同して胸腔鏡下手術と呼ばれています。

開胸手術  開胸手術は皮膚をある程度の大きさで切開した後で、上下の肋骨間あるいは肋骨を切除して、胸腔(きょうくう:胸の中)に入る手術です。

 胸を広く開くことにより、手術が行い易い方法です。麻酔の進歩、胸腔鏡手術の技術や器具の進歩、術後管理の進歩により、開胸手術も侵襲が少ない手術になってきています。

 胸腔鏡下手術に比較して体への負担が大きいと考えられてきました。しかし、最近は、胸腔鏡下手術の技術や器械、知見を加味することにより、開胸手術も驚くほど体への負担が軽減されてきました。

 進行肺癌の手術や困難な手術に対応するためには、なくてはならない技術・手技です。


医師は、患者さんやその家族に肺癌などの病気に関する情報を正しく伝えて、適切な治療選択をするための助言を行なうことが重要と考えています。
外科医の使命は安全で確実な手術を行なうことです。健康に関して不安がありましたら、受診してください。

2009.3 秋葉直志 AKIBA Tadashi