論文紹介


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進行非小細胞肺癌へのアデノウイルス介入p53遺伝子導入

Swisher SG, Roth JA et al.
テキサス大学、MDアンダーソン癌センター
J. National Cancer Institute 91:763-71.1999

背景

動物モデルにおける前臨床試験は野生型p53遺伝子アデノベクターを腫瘍に投与して腫瘍縮小効果を示した。そこで、第1相臨床試験として、標準治療で癌の進行した28人のNSCLC(非小細胞肺癌)患者さんに野生型p53遺伝子アデノベクターを投与した。

方法

野生型p53遺伝子アデノベクターをCTガイド下経皮針注入(23人)か気管支鏡注入(5人)で毎月、最高6回、腫瘍内に注入した。量は10から1011単位 (PFU 、plaque-forming units)である。

結果

治療後生検組織の評価可能病変に対してアデノウイルスベクターDNAのPCR(polymerase chain reaction)を行うと、21人中18人(86%)に存在していた。ベクター特異的p53 運搬RNAはRT-PCR,(reverse transcription-PCR)で26人中12人(46%)に認められた。アポトーシスは11人の治療後生検組織からTUNEL染色で認められた。ベクター関連の毒性は23人に対して繰り返し84回(最高6回)の治療を行ったが少なかった。25人の評価可能患者における治療効果は、2人(8%)で有効、16人(64%)で不変、後の7人(28%)が進行であった。

結論

野生型p53遺伝子アデノベクターは繰り返し投与することができ、その結果遺伝子導入した野生型p53の発現が見られた。進行したNSCLC患者さんの特定のグループには腫瘍効果がありそうである。

(1999.12.16翻訳 秋葉直志)


肺尖部胸壁浸潤癌:生存期間に対する局所制御の意味

Hagen MP et al.
マサチューセツゲジェネラル病院
J. Thoracic. Cardiovasc. Surg. 1999

背景

目標は肺尖部胸壁浸潤癌患者さんに対する、生存と治療効果の評価である。治療は可能なら放射線療法と外科療法の併用、あるいは外科療法が無理なら放射線療法単独治療である。

方法

73人の原発性非小細胞肺癌の患者さんである。34人は外科療法と放射線療法の併用である。このうち31人(91%)は治療を完遂した。この群では手術前に40Gy照射し、術後の追加照射は手術所見により選択した。39人は原発巣が進行しているか、遠隔転移があるか、内科的に外科療法に不適なために放射線療法単独で治療した。

結果

全ての患者における、全体5年生存率は19%で、疾患5年生存率20%である。外科放射線併用群での、全体と疾患5年生存率はぞれぞれ33%と38%である。予後不良の有意な指標は、原発巣切除不能、全身状態が悪い、T4、リンパ節転移陽性である。放射線療法単独群の82%は姑息的に治療された。このうち66%は局所進展なく、平均生存期間は8ヶ月であった。7人の根治的放射線療法を受けた患者の平均生存期間は25ヶ月であった。両群において、最初の18ヶ月で約35%に遠隔転移が認められた。

結論

肺尖部胸壁浸潤癌患者さんで切除可能病変は、外科療法と積極的な放射線療法の併用により高頻度で局所制御できる。外科放射線併用群でT4、リンパ節転移陽性、ホルネル症候群は有意に予後が悪い。結局、切除した患者の56%に遠隔転移が現れる。外科療法放射線療法併用群で、高容量の放射線療法を受けられた患者さんは有意に平均生存期間が延長した。

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(1999.12.16翻訳 秋葉直志)