肺がん(肺癌)の治療

小細胞肺がん 患者さん用

しょうさいぼうはいがん


NCI(米国癌研究所)の許可を得て翻訳した情報。 | ホーム |

小細胞肺がんについての一般情報
小細胞肺がんの病期
再発ー小細胞肺がん   
治療選択の概観
病期による治療選択肢
 
限局期―小細胞肺がん 
 
進展期―小細胞肺がん
再発―小細胞肺がんの治療選択肢
PDQに関して



小細胞肺がん(肺癌)についての一般情報

本章の重要点

  • 小細胞肺がん(肺癌)は肺の組織に悪性(がん)細胞ができた病気です。
  • 小細胞肺がん(肺癌)には3つの型があります。
  • 喫煙は小細胞肺がん(肺癌)が発生する重要な危険因子です。
  • 小細胞肺がん(肺癌)で起こりうる症状は咳(せき)、胸痛、呼吸困難です。
  • 肺を調べる検査が、小細胞肺がん(肺癌)を発見し診断するために行われます。
  • いくつかの要因が予後(よご:回復の可能性)と治療選択に影響します。
  • 小細胞肺がん(肺癌)では、治療の難しい方も多くいます。

小細胞肺がん(肺癌)は肺の組織に悪性細胞(がん)ができた病気です。

肺は胸の中にある一対の円錐形の呼吸器官です.肺は息を吸って酸素を体に取り入れて、息を吐いて二酸化炭素を排出します.右の肺と左の肺があります。各々の肺の区画を葉(よう)呼びます。左肺は2葉あります。右肺は、少し大きいのですが、3葉あります。肺を覆う薄い膜を胸膜(きょうまく)と呼びます。気管支(きかんし)と呼ばれる2つの筒が、気管(きかん)から出て、右と左の肺へ行きます。細気管支(さいきかんし)と呼ばれる小さな筒と肺胞(はいほう)と呼ばれる微小な空気の袋が肺の内側を形成しています.気管支はしばしば肺がん(肺癌)に侵されます。

2種類の肺がん(肺癌)があります:小細胞(しょうさいぼう)肺がん(肺癌)と非(ひ)小細胞肺がん(肺癌)です.この要約は小細胞肺がん(肺癌)の情報を提供します。(非小細胞肺がん(肺癌)の患者さん用情報も見てください.)

小細胞肺がん(肺癌)には3種類あります。

この3種類は多くの種類の細胞を含みます。各種のがん細胞は異なった方法で成長し広がります。小細胞肺がん(肺癌)の種類は、顕微鏡でがんの中に認められる細胞の種類とどのように見えるかで名前をつけます。

  • 小細胞がん(燕麦細胞がん)。
  • 混合小細胞/大細胞がん。
  • 結合小細胞がん。

喫煙は小細胞肺がん(肺癌)になる重要な危険因子です。

喫煙は肺がん(肺癌)の最も多い原因です。小細胞肺がん(肺癌)の危険因子には下記があります:

  • 現在か過去に、紙巻煙草、葉巻、パイプを吸っているか吸っていた。
  • 間接喫煙にさらされている。
  • アスベスト(石綿)、ラドン、コールタール(石炭やに)、ベンゼンにさらされる。

小細胞肺がん(肺癌)の可能性のある症状は、咳(せき)、胸痛、呼吸困難があります。

小細胞肺がん(肺癌)で起こされる他の症状もあります。下記の症状があるときは医師を受診するべきです:

  • 咳(せき)が持続する。
  • 呼吸困難。
  • 胸痛が持続する。
  • 喘鳴(ぜんめい)。
  • 咳で血の痰(たん)がでる。
  • しわがれ声。
  • 顔や首が腫れる。
  • 食欲減退
  • 理由不明の体重減少
  • 異常な倦怠

肺を調べる検査や処置が、小細胞肺がん(肺癌)を見つけ診断するために行われます。

下記の検査や処置が小細胞肺がん(肺癌)を診断するのに役立ちます:

  • 胸部X線(レントゲン)検査:胸部と内部構造の画像を作成するために胸部に短時間の放射線を照射する。
  • 身体所見(理学的所見):しこりや腫瘍のような普通でないことを発見する、健康の全体的な調査。
  • 喀痰(かくたん)細胞診検査:痰(肺から咳で吐き出された粘液)の中のがん細胞を発見するために顕微鏡を使用します。
  • 生化学検査:診断、治療の計画や中止、病気の経過を常に評価するための、治療の体の血液、尿、他の部分、組織の標本を調べる医学的な処置。
  • 気管支鏡(きかんしきょう)検査:細い、光の出る管をのどあるいは口から挿入して、気官や気管支(肺に入る空気の通路)に入ります.これは気管、気管支、肺の中の検査を行うことができます。この時に生検も行うかもしれません。
  • 細い針の吸引細胞診検査:とても細い針で組織や血液の標本を採取する。胸部の皮膚を切り、針を肺や胸腔(きょうくう)に挿入する。
  • 胸腔穿刺(きょうくうせんし):肋骨の間に刺した針を通じて、胸腔(肺と胸壁の間の空間)から液を除去する。

ある要因は、治療の予後(回復の可能性)および治療選択に影響します。

治療の予後(回復の可能性)および治療選択は、がん(癌)の病期(それが胸腔(きょうくう)のみにあるか、身体の他の場所へ広がっているか)、患者さんの性別、健康状態、LDH(乳酸塩脱水素酵素(血液中の値が標準より高い場合に、がん(癌)を示す血液で見つかった物質))に依存します。

小細胞肺がん(肺癌)を持った患者さんの多くで、がん(癌)の治療は難しいです。

肺がん(肺癌)が見つかる場合、治療を改善するために行われている多くの臨床試験のうちの1つへの参加が考慮されるべきです。臨床試験は、小細胞肺がん(肺癌)の全段階の患者さん用にあります。

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小細胞肺がん(肺癌)の病期

本章の重要点

  • 小細胞肺がん(肺癌)が診断された後、がん(癌)細胞が胸の内にだけ広がっているか、あるいは身体の他の部分に広がったかどうか知るための検査が行われます。
  • 次の病期が小細胞肺がん(肺癌)のために使用されます:
      • 限局期
      • 進展期

小細胞肺がん(肺癌)が診断された後、がん(癌)細胞が胸の内にあるか、あるいは身体の他の部分に広がったかどうか知るために検査が行われます。

がん(癌)が胸の内か身体の他の部分に広がっているかを見出す過程は、病期(びょうき)診断と呼ばれます。病期診断過程から集められた情報は、病気の病期を決定します。 最良の治療を計画するために病期を知ることは重要です。次の検査と処置が病期診断過程で使用されるかも知れません:

  • 骨髄生検:顕微鏡で検査する検査のために、針を用いて骨髄から組織標本の採取。
  • 脳、胸、腹のCTスキャン(走査)(あるいはCATスキャン)(computed tomography scan、computerized axial tomography scan):CTスキャンは、異なる角度から取られた、身体内部の一連の詳細な写真を作成します。写真は、X線機械につながれたコンピュータによって作成されます。この検査は、コンピュータ断層撮影と呼ばれます。
  • MRI(磁気共鳴映像法)(magnetic resonance imaging):コンピュータにつながれた磁石が身体内部の詳細な写真を作成する検査です。この検査は核磁気共鳴映像法(NMRI)とも呼ばれます。
  • 放射性核種骨スキャン(走査):この検査はコンピュータ画面上あるいはフィルム上に骨格の画像を作成します。少量の放射性の物質は血管に注入され、血流によって移動します;それは骨格に集まり、走査装置(スキャナ)によって検知されます。
  • PETスキャン(走査)(陽電子放射断層撮影走査) (positron emission tomography scan):PETスキャンは、身体の中でがん(癌)細胞の位置を示す画像を作成します。放射性核種ブドウ糖 (砂糖)と呼ばれる物質は、静脈に注入されます。そして、PET走査装置(スキャナ)は画像を作成するために患者さんの回りを回転します。がん(癌)細胞は、正常細胞より活発で、多くのブドウ糖を取り上げるので、写真により明るく現われます。

次の病期が小細胞肺がん(肺癌)のために使用されます:

限局期

限局した段階で、がん(癌)が片側の肺、左右肺の間の組織、近くのリンパ節だけで見つかります。

進展期

進展した段階で、がん(癌)は起こった肺の外部か、身体の他の部分に広がる。



再発小細胞肺がん(肺癌)

再発小細胞肺がん(肺癌)は、治療後に再発(戻る)したがん(癌)です。がん(癌)は胸の中、中枢神経系、身体の他の部分に戻るかもしれません。

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治療選択の概観

本章の重要点

  • 小細胞肺がん(肺癌)の治療は複数種類あります。
  • 3つの標準治療が使用されます:
      • 外科療法
      • 化学療法
      • 放射線療法
  • 他の治療は臨床試験で検討されています。

小細胞肺がん(肺癌)を持った患者さんのためのいくつかの治療があります。

いくつかの治療は小細胞肺がん(肺癌)を持った患者さんに利用可能です。

いくつかの治療は標準です(現在用いられている治療)、また、いくつかは臨床試験で検討されています。治療を始める前に、患者さんは臨床試験に参加することを考えたいと思うかもしれません。治療臨床試験は現在の治療を改善するか、がん(癌)を持った患者さんのために新しい治療についての情報を得ることを支援するための調査研究です。新しい治療が「標準」治療よりよいことを臨床試験が示す場合、新しい治療は標準治療になるかもしれません。

臨床試験は多くの場所で行われています。最も適切ながん(癌)治療を選ぶことは理想的には患者さん、家族、ヘルスケア・チームを含んだ決定です。

3つの標準の治療が使用されます:

外科療法

がん(癌)が、1つの肺および近くのリンパ節だけで見つかる場合、外科療法が使用されるかもしれません。こ型の肺がん(肺癌)は両方の肺で通常見つかるので、外科療法単独はめったに使用されません。時々、外科療法は患者さんの肺がん(肺癌)の正確な型を決定することを支援するために使用されます。手術中に、医師は、がん(癌)を持っているかどうか確かめるためにリンパ節も切除するでしょう。レーザー治療(がん(癌)細胞を殺す激しく強力な光線の使用)が使用されるかもしれません。

化学療法

化学療法はがん(癌)細胞を殺す薬の使用です。化学療法は内服かもしれません。あるいは、それは静脈か筋肉に針を挿入することにより身体の中に入れられるかもしれません。薬が血流に入り、身体を移動し、身体の全体にわたるがん(癌)細胞を殺すことができるので、どちらのの型の化学療法も全身療法と呼ばれます。

手術中に、可視のがん(癌)細胞はすべて切除されます。化学療法は切除されなかったすべてのがん(癌)細胞を殺すために手術の後に与えられるかもしれません。外科療法の後に与えられた化学療法は追加療法(アジュバント療法)と呼びます。

放射線療法

放射線療法はがん(癌)細胞を殺しかつ腫瘍を縮ませる、X線、あるいは他の種類の放射線の使用です。放射線療法は外部放射線(身体の外の機械を使用して)か内部放射線を使用します。内部放射線はがん(癌)細胞が見つかる部位へ薄いプラスチック・チューブを通って放射線同位元素(アイソトープ:放射線を生む物質)を入れることを含んでいます。小細胞肺がん(肺癌)は内部と、外部放射線で治療されます。予防的全脳照射(がん(癌)が脳に広がる危険を減少するための、脳への放射線療法)も与えられるかもしれません。

他の治療は臨床試験で検討されています。

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病期による治療選択肢


限局期―小細胞肺がん(肺癌)

限局期小細胞肺がん(肺癌)の治療には、下記のものがあります:

  • 多剤化学療法および胸への放射線療法で、脳への放射線療法を行うかもしれない。
  • 多剤化学療法で、著効患者さんに対する脳への放射線療法を行うかもしれない。
  • 多剤化学療法で、胸への放射線療法を行うかもしれない。
  • 化学療法あるいは化学療法と胸への放射線療法に引き続く外科療法で、脳への放射線療法を行うかもしれない。
  • 新しい化学療法、外科および放射線治療の臨床試験。

この要約は、臨床試験での研究下の特定の治療に言及します。しかし、それが研究されているすべての新しい治療に言及するとは限りません。

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進展期―小細胞肺がん(肺癌)

進展期小細胞肺がん(肺癌)の治療には、下記のものがあります:

  • 化学療法。
  • 多剤化学療法。
  • 多剤化学療法で、著効患者さんのための脳への放射線療法を行うかもしれない。
  • 症状を取り除き、かつ生活の質を改善する緩和治療として、がん(癌)が拡がった脳、背骨、骨、身体の他の部分への放射線療法。
  • 新しい化学療法による治療の臨床試験。

この要約は、臨床試験での研究下の特定の治療に言及します。しかし、それが研究されているすべての新しい治療に言及するとは限りません。



再発―小細胞肺がん に対する治療選択肢

再発小細胞肺がん(肺癌)の治療には、下記のものがあります:

  • 症状を取り除き、かつ生活の質を改善する緩和治療としての放射線療法。
  • 症状を取り除き、かつ生活の質を改善する緩和治療としての化学療法。
  • 症状を取り除き、かつ生活の質を改善する緩和療法として、気道を確保するためのレーザー治療、装置の外科的配置で、内部放射線療法も行うかも知れません。
  • 化学療法の臨床研究。

この要約は、臨床試験での研究下の特定の治療に言及します。しかし、それが研究されているすべての新しい治療に言及するとは限りません。



PDQについて

PDQはNCI(国立がん(癌)研究所)の包括的ながん(癌)情報データ・ベースです。

PDQがん(癌)情報要約はがん(癌)専門家によって開発されており、規則的に再調査されます。

治療を始める前に、患者さんは臨床試験に参加することに関して考えたいと思うかもしれません。臨床試験は1つの治療が別のものよりよいかどうかのような科学的な質問に答える研究です。研究は、過去の臨床研究、および研究所で研究されたものに基づきます。各研究は、がん(癌)患者さんを助ける新しくよりよい方法を見つけるための科学的な質問に答えます。治療の臨床研究の間、情報は新しい治療、含まれていた危険、それらはどれくらいうまく効くかあるいは効かないかに関して集められます。そして、新しい治療が現在使用されているものよりよいことを臨床試験が示す場合、新しい治療は「標準」になるかもしれません。

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2002.8版 翻訳2002.8:秋葉 直志