NCIの抜粋
この情報は主に医師やほかの医療従事者用です。
NCIの許可を得て翻訳した情報です。 | ホーム |
胸腺腫は、リンパ球が広く浸潤していたりあるいはしていない上皮性の腫瘍です。胸腺腫を上皮型(cortical)、リンパ球型(medullary)、混合型(mixed)の3の大きな亜型に分類する組織学的分類が提唱されています。これらの組織学的亜型は、局所浸潤の程度と関連があることが示され、大部分の研究では、組織型と予後は相関することが示唆されています1)2)。 上皮型、あるいは、上皮優位型の胸腺腫は、他の組織型の胸腺腫より浸潤する危険性が高いことと関連しています1)3)。胸腺腫と区別される必要がある他の胸腺由来の腫瘍は、胸腺癌、胚細胞腫瘍、リンパ腫、カルチノイド、 T 細胞性白血病です4)5)。悪性腫瘍として信頼できる組織学的な特徴が存在しないので、胸腺腫の悪性度の決定は難しいです。悪性所見は、腫瘍の被膜、または周囲臓器への浸潤、もしくは転移の存在によって示すことができます。約30%〜40%の胸腺腫は浸潤性です4)5)。 標準となる病期分類はありませんが、正岡によって1981年に提唱されたものが一般に使われており、下記に示します。この病期分類は、85人の外科的治療を受けた患者さんへ適応され、予後を決定する上で有用であることが確認されました。
非浸潤 非浸潤(病期T)胸腺腫は胸腺内に限局し、他の組織に関与していません。腫瘍細胞の全ては、腫瘍を囲む線維性被膜の中に存在します。 浸潤 局所浸潤(病期U)胸腺腫とは、腫瘍は被膜を破り、脂肪や胸膜へ浸潤しています。広範浸潤(病期VおよびWa)胸腺腫とは、腫瘍は胸腺から連続性に胸部の他臓器へ浸潤しています。腹部臓器、または転移性塞栓の広がり(病期Wb)を示すものは、発症時はまれです。 特に非浸潤性腫瘍では、CTが胸腺腫の診断と臨床病期分類において有用であるかもしれません。CTでは腫瘍径、病変部位や、血管、心膜、肺への浸潤を通常正確に予測可能です。しかしながら、微小浸潤や切除可能性を正確に予測することはできません1)。 この要約においては治療を論じるために胸腺腫を非浸潤か浸潤に分けました。 |
||||||||||||
(2000.1改訂版 翻訳:栗原英明、監修:秋葉直志)