外科(呼吸器外科)
診療医長 秋葉 直志| 肺がん治療ネット |
私は平成17年7月に呼吸器外科診療を行うため柏病院に赴任しました。
当病院の呼吸器外科では肺癌だけでなく、自然気胸や縦隔腫瘍の手術など多くの胸部疾患を担当しています。おかげさまで、平成16年にわずか3例だった呼吸器外科手術が平成18年に82例と急増しました。手術の多くは低侵襲な胸腔鏡下手術で行っており、肺癌の手術に関しても最近は開胸を一切行わない完全胸腔鏡下手術で行うことが多くなりました。
肺癌の術前準備として、胸部CTから肺動静脈・気管支の立体画像を作成して手術の参考にしています。また、患者さんは外来で呼吸訓練を開始し、術後に呼吸がスムースに行えるようにしています。通常の術後経過では、手術翌日には食事を開始し、2日目には自由に散歩できるようになり、一週間程で退院可能となります。低侵襲な手術は患者さんの免疫を落とさないので、癌の予後にも良い影響がある可能性があると考え、積極的に取り入れています。
ご存知の方も多いと思いますが、胸腔鏡下手術と完全胸腔鏡下肺癌手術について補足します。
《胸腔鏡下手術》
胸腔鏡下手術は約2cmの皮膚切開を複数作成し、そこから硬性鏡と鉗子を挿入してビデオモニターを見ながら行う手術です。開胸手術では肋骨を開胸器で強制的に開くので術後に強い疼痛が起こりますが、胸腔鏡下手術では開胸器を使用しないので、低侵襲であり、疼痛が少なく、早期退院が可能な手術です。
《完全胸腔鏡下肺癌手術》
肺癌の標準手術は肺葉切除とリンパ節郭清です。肺葉を摘出する複雑な手術なので、以前は胸腔鏡下手術に小開胸を併用して手術を行っていましたが、最近は器具の進歩とノウハウの蓄積により、小開胸を行わない完全胸腔鏡下肺癌手術を行うことが多くなりました。
これからも安全で確実な手術を心がけ、微力ですが地域に貢献していきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻、宜しくお願いいたします。
東京慈恵医大 柏病院 医療連携室ニュース原稿
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