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2005年6月最新版(2006年4月更新) この情報は主に医師やほかの医療従事者用です.
非小細胞肺癌では、ほとんどの限局型の癌を除いて標準治療の結果は不良です.新たに診断された非小細胞肺癌患者さんは新治療を評価するための潜在的な候補者です.外科療法はこの疾患の主たる治癒可能性の高い治療選択です.放射線療法は少数の患者さんに治癒を、そして多くの患者さんに姑息的効果をもたらすことができます.肺癌手術後に行う追加化学療法は患者さんに利益をもたらします。進行期肺癌では、化学療法は中間生存期間の軽度の改善をもたらしますが、全体の生存期間は不良です(1,2).化学療法は疾患関連症状の短期間の改善をもたらします.多くの臨床研究は、腫瘍関連症状や生活の質に対して、化学療法がどのくらい効果をもたらすかの評価を試みています。全体としてこれらの研究は、生活の質に悪い影響をもたらさずに、腫瘍関連症状が化学療法により制御される可能性を示唆しています(3-5)。しかし、化学療法が生活の質に及ぼす影響についてされに研究が必要です。 現在評価中の領域には、局所療法(外科手術療法)、所属部位療法(放射線療法)、全身療法(化学療法、免疫療法、分子標的治療薬)、開発中のより効果的全身療法の組み合わせがあります.シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、パクリタキセル(paclitaxel:タキソール(Taxol))、ドセタキセル(docetaxel:タキソテール(Taxotere))、トポテカン(topotecan)、イリノテカン(irinotecan)、ビノレルビン(vinorelbine)、ゲミシタビン(gemicitabine)を含むいくつもの薬が進行非小細胞肺癌の治療に有力です.早い時期の肺癌患者さんにおける上部気道・消化管の2次原発癌の化学防御も研究されています. 治療を"標準" あるいは "臨床研究中"に分類することは、保険払い戻しのためのものではありません. 潜在ー非小細胞肺癌は次の臨床病期として定義されています.
潜在肺癌では、原発性肺癌の部位と性格を診断するために、必要なら綿密な経過観察(例.CT(電子計算断層写真探査)検査)を伴った胸部X線撮影と選択的気管支鏡が含んでいます.このようにして発見された肺癌は通常早期であり外科手術療法で治ります.原発性肺癌を見つけた後は、患者さんの肺癌の病期を決定して治療方法を決めます.治療は決められた病期の非小細胞肺癌で勧めるものと同じです. 0期ー非小細胞肺癌は次の臨床病期として定義されています.
0期-非小細胞肺癌は肺の上皮内癌と同じです.これらの腫瘍は定義からして非浸潤癌であり転移能力はないので、外科的切除で治ります.しかし、2番目の原発癌の出現する可能性が高く、またこれらの多くは切除できません.ヘマトポルフィリン(hematoporphyrin)誘導体を用いた内視鏡による光線療法は、慎重に選択された患者さんでは、外科手術療法に代わる、一つの選択肢になると記載されています(1-3).この研究評価中の治療は、気管支内に1cm未満の進展をしている非常に早期の中心型肺癌には最も有効と思われます.早期非小細胞肺癌に対するこの治療方法の効果はまだ証明されていません. 標準治療の選択肢
外科手術療法はT期非小細胞肺癌患者さんに対する治療選択肢です.患者さん全身の慎重な術前評価、特に患者さんの肺予備能は外科療法の利益を考慮するのに重大です.手術直後の死亡率は年齢に関係し、肺葉切除では3%から5%であると考えられます(1).肺機能の悪い患者さんでは原発性肺癌の区域あるいは楔状切除が考えられるでしょう.肺癌研究集団(Lung Cancer Study Group)は、T期肺癌患者さんに対して、肺葉切除と縮小切除を比較する無作為割付試験(randomized
study)を行いました(2).この研究の結果、肺葉切除の患者さんは縮小手術の患者さんに比較して局所再発は減少しましたが、全体の生存率には有意な差はありませんでした(3).同様の結果は無作為割付試験でない解剖学的区域切除と肺葉切除の比較で報告されました(4).肺癌が3cmを越える患者さんでは肺葉切除が生存率に寄与しましたが、3cmより小さい肺癌ではそうではありませんでした.しかし、原発性肺癌の大きさに関わらず、肺葉切除後の局所あるいは所属リンパ節再発は有意に減少しました. 要約すると、シスプラチン(cisplatin)を含む多剤併用化学療法が切除された非小細胞肺癌患者さんに明らかな生存の利益をもたらすことを示しています。切除可能な非小細胞肺癌患者さんにおける、手術および化学療法の最適な順序、および補助放射線療法の利益と危険については、今後決定する必要がある。 標準治療の選択肢
U期ー非小細胞肺癌は次の臨床病期集団として定義されています
病期U期非小細胞肺癌の患者さんには外科手術療法が選択されます.患者さんの全身状態を、術前に慎重に評価すること、特に患者さんの肺の予備力は外科療法の利益を考慮する上で重要です.術直後の死亡率は年齢に関係しますが、肺全摘術で5%から8%、肺葉切除で3%から5%が予想されます. 病期U期で充分な肺機能の予備力がある手術不能患者さんは、根治目的の放射線療法が考慮されます[1].全身状態が良い患者さんは根治的放射線療法が完遂できれば、20%までの3年生存率が期待されます.今日までの最大のさかのぼり(retrospective)研究の報告において、内科的に手術不能な非小細胞肺癌で、根治的放射線療法を行った152人の患者さんでは10%の5年総合生存率を達成しました.しかし、T1肺癌の44人は実質非担癌生存率は60%でした.このさかのぼり研究では60グレイ(Gy:6,000 cGy)以上の放射線療法が非担癌生存率を改善することも示唆しました[2].根治的放射線治療では巨大電圧装置から通常の分割法を用いて肺癌の中央に約60グレイ(Gy:6,000 cGy)を照射します.局所制御をさらに増強する目的で原発性肺癌の円錐領域にしばしば追加投与を行います.目標容量を正確に確定し、できるだけ重要な正常組織を避けた慎重な治療計画が、良い結果を生むために必要であり、模擬実験装置(simulator)の使用が必要です. 要約すると、シスプラチン(cisplatin)を含む多剤併用化学療法が切除された非小細胞肺癌患者さんに明らかな生存の利益をもたらすことを示しています。切除可能な非小細胞肺癌患者さんにおける、手術および化学療法の最適な順序、および補助放射線療法の利益と危険については、今後決定する必要がある。
V期ー非小細胞肺癌は次の臨床病期集団として定義されています
臨床病期、VA N2の患者さんの5年生存率は全体で10%から15%です.しかし、巨大縦隔リンパ節腫大(胸部X線で確認できる)があると5年生存率は2%から5%です.臨床環境に応じて、VA期の非小細胞肺癌患者さんの考えられる治療の第1選択は、放射線療法、化学療法、外科手術療法、そしてこれらを合わせた集学的治療です.これらの患者さんの多くは放射線療法で治癒しませんが、60グレイ(Gy:6,000cGy)の標準的分割照射された患者さんに5%から10%の生存率の利益が再現性をもって示されています.そして、有意な効果がしばしば見られます.良好な全身状態の患者さんで、外科的に切除不能である肺癌であることが開胸手術をしてはじめて分かった患者さんは、最も放射線治療で利益を得る可能性が高いです(1). 要約すると、シスプラチン(cisplatin)を含む多剤併用化学療法が切除された非小細胞肺癌患者さんに明らかな生存の利益をもたらすことを示しています。切除可能な非小細胞肺癌患者さんにおける、手術および化学療法の最適な順序、および補助放射線療法の利益と危険については、今後決定する必要がある。
特殊な方法が利益をもたらすのは肺尖部胸壁浸潤肺癌(Superior sulcus tumor)です。これは局所浸潤肺癌で通常遠隔転移が少ない傾向があります.そのために、局所療法で治癒させうる潜在的な可能性があり、特にT3, N0肺癌に言えます.放射線療法単独、あるいは外科手術療法が先行するか引き続いた放射線療法、あるいは外科手術療法単独(厳選された症例)では治癒する患者さんもいます、そして研究によると5生存率は20%でそれ以上の研究がいくつかあります(30).この領域のより浸潤した肺癌患者さんは、つまり真のパンコースト腫瘍(Pancoast tumor)では、予後はさらに悪いですし、通常,外科手術療法主体では利益は得られません.放射線部位での著効(complete response)を確認するのと、壊死組織を切除するために経過観察としての外科手術療法は用いられます.とくに,T4、N0またはN1の肺癌患者さんは外科手術療法後の,化学療法と放射線療法の同時併用はもっともよい結果を生むかもしれません(31)(証拠水準:3iiiDi).
胸壁に直接浸潤している大きな原発肺癌を持った選択された患者さんは、外科手術療法で腫瘍が完全切除できたなら長期生存を達成することができます. 標準治療の選択肢
VB期ー非小細胞肺癌は次の臨床病期集団として定義されています
VB期非小細胞肺癌(NSCLC)は外科手術療法単独では利益を得られません、そして肺癌の場所と全身状態(performance status)次第ですが、最初に化学療法を行う、化学療法と放射線療法を行う、あるいは放射線療法単独を行うことが最も良いです.全身状態(performance status)の良好な患者さんは組み合わせた方法の治療を考慮するべきでしょう.しかし、癌性胸水の患者さんは放射線療法の対象には通常なりません、そして通常W期の患者さんと同様に治療されます.V期非小細胞肺癌(NSCLC)の切除不能患者さんを対象に多くの無作為研究で、放射線療法単独より、シスプラチン(cisplatin)を組み合わせた外科手術前化学療法(neoadjuvant)あるいは化学療法と放射線療法の同時併用の方が生存率を改善することが示されました(1-5).11の無作為割付臨床研究(randomized clinical trial)の患者さんの多施設研究分析(meta-analysis)では、放射線療法単独に比較して、シスプラチン(cisplatin)を組み合わせた化学療法に放射線療法を加えると死亡率が10%減少する結果がでました(6). 全身状態が不良なVB期肺癌患者さんは、呼吸器症状(例えば、咳、呼吸困難、喀血、胸痛)を軽減するための胸部放射線療法の候補者です(7)(証拠水準:3iiiC). 鎖骨上窩リンパ節に転移があって、根治目的の放射線療法の良い適応の患者さんは3年生きる方もいるでしょう.これらの患者さんの多くは放射線療法で完全奏功(complete response)はしませんが、しばしば症状がうまく軽快します.全身状態(performance status)が良好で、切除の時点で進行した時期の肺癌であると診断された患者さんは、放射線療法で利益を得られやすいです (8) .手術不能あるいは切除不能な局所進展や所属リンパ節転移を持った非小細胞肺癌(NSCLC)患者さんに対する、放射線療法を併用した追加全身化学療法の無作為割付研究(randomized trials)が行われました(1-3,9).追加化学療法で軽度に生存が延長した患者さんもいました.放射線療法に化学療法を追加することで長期生存を達成できたという前向き(prospective)臨床研究がいくつかありますが(1,3,4)、すべてではありません(10).54の無作為割付臨床研究(randomized clinical trial)の患者さん情報の多施設分析(meta-analysis)では、放射線療法にシスプラチン(cisplatin)を組み合わせた化学療法を追加すると、2年で4%の実質生存率の向上が示されました(11).治療法の最良の順序に関してはまだ結論がでていません、そして進行中の臨床研究で検討中です(12).
W期ー非小細胞肺癌は次の臨床病期集団として定義されています
シスプラチン(cisplatin)と組み合わせた、あるいはカルボプラチン(carboplatin)と組み合わせた緩和目的の化学療法は、転移した非小細胞肺癌に対して主観的で客観的な奏効と関連しています.いくつかの無作為割付試験(randomized
trial)では、化学療法は支持療法単独に比較して、短期生存期間という幾らかの利益を手術不能なVB 期かW期肺癌患者にもたらすことが示されています.副作用は様々で、結果はほとんどのプラチナ製剤(シスプラチン(cisplatin)やカルボプラチン(carboplatin))と組み合わせた多剤併用療法ではほぼ同様です.5つの以前からあるシスプラチン(cisplatin)と組み合わせた化学療法の前向き無作為割付(prospective
randomized trial)試験では奏効率、奏効期間、あるいは生存期間の有位な相違はありませんでした(1)(証拠水準:1iiA).全身状態の良好なそして遠隔転移の臓器部位数が限られた患者さんでは、ほかの患者さんと比較して、化学療法を投与されたときの奏効率や生存率は良好です(2).ビノレルビン(vinorelbine)とシスプラチン(cisplatin)の併用、ビンデシン(vindesine)とシスプラチン(cisplatin)の併用、ビノレルビン(vinorelbine)単剤の前向き無作為比較試験では、ビノレルビン(vinorelbine)とシスプラチン(cisplatin)の併用は、他の2つと比較して奏効率(30%)と中間生存期間(40週間)と改善したと報告されました(3)(証拠水準:1iiA). 標準治療の選択肢
再発非小細胞肺癌患者さんの多くは臨床試験の資格があります.放射線治療は限局した腫瘍による症状をうまく軽減させるでしょう. 原発性非小細胞肺癌の外科切除後で、頭蓋外肺癌の兆候がない単発性脳転移の患者さんは、脳転移の外科切除と術後の全脳照射で無病生存期間の延長を達成することができます(1,2).この状況で切除不能な脳転移は放射線外科療法(radiosurgery)で治療されるかも知れません(3).長期生存の可能性が低いので、放射線療法は1日量が18から20グレイ(Gy:180
から200 cGy)の通常の方法で行われるべきです.つまり、短期間で1日量が高い方法(低分割照射)は副作用がでる危険が高くなるので避けるべきです(4).外科手術療法に適さない患者さんの多くは全脳照射を受けるべきです.全身状態の良い小さい転移の選択された患者さんは立体的放射線外科療法(stereotactic
radiosurgery)を考えることができます(5).
薬剤名) 一般名:略語(商品名:略語) シクロフォスファミド:CPA(エンドキサン) 重要:この情報は、主として医師、および他の医療従事者のためのものです。あなたがこの話題に関して質問をお持ちの場合、あなたの主治医に尋ねてください。 2005年6月最新版(2006年4月更新)翻訳:秋葉 直志 |