医師用治療情報 小細胞肺癌


2006年3月最新版(2006年3月更新) この情報は主に医師やほかの医療従事者用です。
NCIの許可を得て翻訳した情報です。  | ホーム  |


内容一覧 治療選択概観
限局期小細胞肺癌
進展期小細胞肺癌
再発小細胞肺癌
薬剤名


治療選択概要

注)この章のいくつかの引用には証拠水準がついています。PDQ(Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、治療戦略の報告された結果を判断するために、公式順位分類を使用します。(詳細は、PDQ要約の証拠水準を参照してください。)

小細胞肺癌(small cell lung cancerにおいては、患者さんの多くは取り得る最良の治療にもかかわらずその癌のために亡くなります。小細胞肺癌(small cell lung cancerの生存期間改善のほとんどは、最も入手可能で、受け入れられる療法を改善することを試みた臨床研究に起因します。そのような研究へ患者さんが参加することは非常に望ましいことです。

小細胞肺癌での臨床試験で評価中の治療には、胸部放射線療法時期の研究(限局期肺癌の患者さん用)や、I期患者さんに対する外科療法の役割の評価や、現在の化学療法の様々な使用量のことや、化学療法の新しい投与計画のことや、標準薬と新薬の組み合わせた新しい科学療法のことがあります(1)。現在進行中の臨床研究はNCIのホームページにあります。

化学療法は限局期や進展期の小細胞肺癌(small cell lung cancer)患者さんに対して生存期間の延長を示しました、しかし、治癒は非常に稀です(1,2)。前向き無作為割付試験(Prospective randomized trialにおいても,高容量の化学療法による定常的な生存期間の有効性を示すことができませんでした(3,4).ある化学療法研究の後ろ向き再評価(retrospective reviewは,奏効率や生存期間の定常的な改善を示しませんでした(5)(評価水準:1iiA).自家(autologous)骨髄移植を用いた強力な化学療法でさえ小細胞肺癌(small cell lung cancer患者さんの生存期間を改善することを明らかに示すことはできませんでした(6)。高容量のシスプラチン(cisplatin、ビンクリスチン(vincristine、ドキソルビシン(doxorubicin、エトポシド(etoposideの併用を、通常容量のサイクロフォスファミド(cyclophosphamideとドキソルビシン(doxorubicinとビンクリスチン(vincristine) / エトポシド(etoposideとシスプラチン(cisplatinCAV/EP)の併用を比較した研究では、高容量にするほど奏効率は改善しますが、その代わり治療関連死亡率が増加し、無進行期間や総合生存期間の改善は認められませんでした(7)(証拠水準:1iiA)。

治療が「標準」または「臨床試験中」というPDQでの区別は、損害賠償決定のためのものではありません。

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限局期小細胞肺癌

限局期小細胞肺癌(small cell lung cancerは、原発巣のある片側胸部、縦隔、鎖骨上窩リンパ節に限局した腫瘍を意味しており、「耐え得る」放射線療法範囲内にあります。この用語に関しては国際的に受け入れられた定義がなく、胸水があったり、大きな肺癌、対側鎖骨上窩リンパ節を持つ患者さんは治療集団により含まれたり、除外されたりします。

標準治療選択肢

  1. 胸部放射線療法を伴った多剤併用化学療法完全奏効CRcomplete response)患者さんに対する全脳照射PCIを行うかもしれません
     ・EC:エトポシド(etoposide + シスプラチン(cisplatin + 45グレイ胸部放射線療法(3,7)
  2. 多剤併用化学療法完全奏効例CRcomplete responseに対する全脳照射PCIを行うかもしれません。特に肺機能低下あるいは全身状態不良な患者さんにおいて。
  3. 病期T期の患者さんのための、化学療法または化学療法と胸部放射線療法に引き続いた、外科手術療法(完全奏効例完全奏効(CRcomplete response)患者さんに対する全脳照射(PCIを行うかもしれません)(17-20)

臨床評価中の治療選択肢

限局期小細胞肺癌(small cell lung cancerに対する積極的な臨床試験評価分野には、新薬治療計画、現在の治療計画薬剤の投与量、原発巣の外科手術療法、新しい放射線療法計画および方法(例えば、3次元の治療計画)、胸部放射線療法時期があります(27,28)。現在進行中の臨床研究に関しては米国国立癌研究所(NCI)のウェッブサイト(ホームページ)にあります。



進展期小細胞肺癌

進展期小細胞肺癌は、上記の限局期疾患の定義内に含まれない程広がりすぎた肺癌を意味しています。遠隔転移(M1)を持つ患者さんは、常に進展期疾患を持っていると考えられます(1,2)

標準治療選択肢

1. 次の組み合わせを用いた多剤化学療法のつで、完全奏効complete response患者さんに対する全脳照射PCIprophylactic cranial irradiationを併用するかもしれません。以下の療法により同様な生存期間結果がでます。
  1. CAV サイクロホスファミド(cyclophosphamide+ドキソルビシン(doxorubicin )+ビンクリスチン(vincristine) (28,29)
  2. CAE サイクロホスファミド(cyclophosphamide) +ドキソルビシン(doxorubicin) +エトポシド(etoposide) (30 )
  3. EPまたはEC エトポシド(etoposide)+シスプラチン(cisplatin)またはカルボプラチン(carboplatin ) (31,32)
  4. ICE イフォスミド(ifosfamide) +カルボプラチン(carboplatin) +エトポシド(etoposide) (33)
  5. シスプラチン(cisplatin) +イリノテカン(irinotecan
以下の治療は、同様な生存期間結果を生み出すと考えられるが、それほど徹底的に研究されていないか、または使用頻度が少ない
  1. サイクロホスファミド(Cyclophosphamide) +ドキソルビシン(doxorubicin)+エトポシド(etoposide)+ビンクリスチン(vincristine) (34)
  2. CEV サイクロホスファミド(cyclophosphamide) +エトポシド(etoposide)+ビンクリスチン(vincristine) (35)
  3. 単剤薬剤エトポシド(etoposide) (23)
  4. PET : シスプラチン(cisplatin+エトポシド(etoposide+パクリタキセル(paclitaxe) (36)
2. 化学療法により急速に症状が緩和されそうにない転移部位、特に脳、硬膜外、骨転移部位に対する放射線療法
3. 以前に標準化学療法によって治療された患者さんにおいて、効果的な新しい薬剤の識別は難しいです。なぜなら、薬剤の効果は、知られている効力でさえ、以前に未治療であった患者さんより低いからです。このことより、内科的に安定している進展期疾患を持つ患者さんは、評価中の新薬で治療し、もし反応がないなら、早期に効果がでるように標準的治療に切り換えて治療するという提案があります(37)。このような戦略は、進展期患者さんが慎重に選ばれる限り、生存期間は最初の標準治療の生存期間と同等であることより、実現可能であることが明らかにされました(38-40)。他の腫瘍や前臨床期小細胞肺癌モデルの新薬の効果によって、または類似薬の効果によって、各種の他の戦略が、提案されました(41)。現在評価を受けている効果的な単剤には、パクリタキセル(paclitaxel)とトポテカン(topotecan)があります(42,43)

臨床評価中の治療選択肢

進展期小細胞肺癌small cell lung cancerでの積極的な臨床評価の分野は、新薬の治療計画、高容量、別の薬の治療計画、高容量化学療法の評価を含みます。進展期疾患の長期の多施設研究分析(meta-analysisは、強い化学療法治療による有効率またはより生存期間の改善があるという一貫している証拠は示しませんでした(44)(証拠水準:1iiA)。現在進行中の臨床研究に関しては米国国立癌研究所(NCI)のウェッブサイト(ホームページ)にあります。



再発小細胞肺癌

標準治療選択肢

  1. 姑息的放射線療法(12)
  2. 救助(salvage)化学療法は、以前に標準化学療法に効果のあった患者さんにいくらかの症状緩和の利点をもたらします(2,4-9)
  3. 気管支内レーザー療法、気管支内ステントおよび/または気管支腔内照射による局所症状の緩和(10,11)
  4. I相あるいは第II相の臨床研究。 現在行われている臨床研究についての情報は米国国立癌研究所(NCI)のウェッブサイト(ホームページ)にあります。


薬剤名) 一般名:略語(商品名:略語)

シクロフォスファミド:CPA(エンドキサン)
イホスファミド:IFM(イホマイド)

ゲムシタビン:GEM(ジェムザール)
テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ:UFT)

ビンクリスチン:VCR(オンコビン)
ビンブラスチン:VLB、VBL(エクザール)
ビンデシン:VDS( フィルデシン)
ビノレルビン:VNR(ナベルビン)
パクリタキセル:PTX (タキソール:TAX、TXO)
ドセタキセル:DTX(タキソテール:TXT)

エトポシド:VP-16、ETP(ラステット、ベプシド)
イリノテカンCPT-11(カンプト、トポテシン)
トポテカン
アムルビシン:AMR

ドキソルビシン、アドリアマイシン:ADR、ADM 、DXR、DOX(アドリアシン)
マイトマイシン:MMC(マイトマイシン)
エピルビシン:EPI(ファルモルビシン)

シスプラチン:CDDP(ランダ、ブリプラチン)
カルボプラチン:CBDCA(パラプラチン)


重要:この情報は、主として医師、および他の医療従事者のためのものです。あなたがこの話題に関して質問をお持ちの場合、あなたの主治医に尋ねてください。

2006年3月最新版(2006年4月更新) 翻訳:秋葉 直志)